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2011/4/20

経理の新情報

欠損金の控除権の喪失

この記事の要約

欠損金が生じた事業年度で、その事業年度で得た他の所得と相殺できない場合、その欠損金は前の事業年度に繰戻したり、その後の事業年度へ繰越したりすることができます(ドイツ所得税法第10d条第1項)。欠損金繰戻限度額は、511, […]

欠損金が生じた事業年度で、その事業年度で得た他の所得と相殺できない場合、その欠損金は前の事業年度に繰戻したり、その後の事業年度へ繰越したりすることができます(ドイツ所得税法第10d条第1項)。欠損金繰戻限度額は、511,500ユーロで、繰越の場合1,000,000ユーロまで無制限、そして1,000,000ユーロを超えた額の60%を更に次年度へ繰り越すことができます。それでも残った欠損金はその後の事業年度へと繰り越されます。ただこの欠損金の控除権は常に保障されているものではありません。 例えばドイツで納税義務がなくなった場合やシェルカンパニーの売買における繰越欠損金の制限(ドイツ法人税法第8c条)が適用された場合、繰越欠損金が控除されなくなります。現在連邦財務裁判所は、これら欠損金の控除権の喪失が防げるようなんらかの法的措置の必要性を強調しています。

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