ヨーロッパの最新経済・産業ニュース・企業情報を
欧州経済の中心地ドイツからご提供

2015/10/30

ドイツ経済ニュース速報

ドイツ銀が新戦略の詳細発表、18年までにコスト38 億ユーロ圧縮

ドイツ銀行は29日、中期経営戦略「シュトラテギー2020」の詳細を発表した。コスト削減や事業の見直しを通して財務基盤・収益力を強化することが狙いで、リスクの高い事業・市場から撤退。従業員も大幅に削減する。 ドイツ銀はシュトラテギー2020の概要を今春に発表。リテール(小口金融)子会社ポストバンクの放出や、投資銀行事業の整理・縮小、業務・サービスのデジタル化に伴う国内支店の統廃合などを打ち出した。 コストは2018年までに38億ユーロ削減する方針で、アルゼンチン、チリ、マルタなど計10カ国のオンショア事業から撤退。投資銀行分野ではリスクの高い国を中心に顧客数を約50%減らす。個人顧客・中堅企業部門でもクロスセリングを重視し、単一の金融商品しか購入しない顧客との取引は縮小していく。また、ドイツ国内の支店を200カ所以上、統廃合する。 これらの措置に伴い正社員を約9,000人(フルタイム勤務換算)削減するほか、契約社員も6,000人減らす。ポストバンクを分離することもあり、グループ全体の雇用規模は18年までに現在の10万3,000人から約7万7,000人へと減少する見通しだ。 同行はまた、リスク加重資産を18年までに900億ユーロ圧縮するほか、2015年と16年の配当を見送る。 これらの措置により、狭義の中核自己資本比率(CET1比率)を18年末以降12.5%以上へと改善。総資産に対する自己資本の比率であるレバレッジ比率も18年末に最低4.5%、20年末には同5%を達成する目標だ。税引き後の自己資本比率(ROE)は18年までに10%以上へと引き上げる。