エネルギー大手の独RWEは17日、2015年12月期の純損益が2億ユーロの赤字(暫定値)になったと発表した。ドイツと英国の火力発電所で計21億ユーロの減損損失を計上したことなどが響いた格好。同社は事業効率向上プログラムを拡大するとともに、普通株の配当を見送る考えを表明した。
エネルギー業界では再生可能エネルギー電力助成政策のしわ寄せで火力など従来型発電の採算が悪化している。状況改善の見通しは立っていない。
RWEは17年までに利益を持続的に20億ユーロ押し上げる目的で事業効率向上プログラムを12年に開始し、15年末までに16億ユーロを実現した。同社は今回、同目標を「18年までに25億ユーロ押し上げる」へと引き上げた。従来型発電と業績不振の英販売事業にメスを入れる。
12月末時点の有利子債務は251億ユーロで、1年前に比べ20%減少した。石油・天然ガス採掘子会社RWE DEAの売却益で債務を大幅に圧縮した。
16年12月期は調整済みベースの営業利益が前期の38億ユーロから28億〜31億ユーロに減少すると予想している。従来型発電と英販売事業の不振が足かせとなるためで、調整済みベースの純利益も11億ユーロから5億〜7億ユーロに縮小するとみている。