フランクフルトをフィンテックのメッカに、ドイツ取引所が支援拠点開設

ドイツ取引所は24日、ITを活用した新しいタイプの金融サービス事業者であるフィンテックの支援拠点をフランクフルトに開設すると発表した。地元ヘッセン州政府は同市にフィンテックのクラスターを形成する政策を打ち出しており、ドイツ取引所はこれに連動して同分野のスタートアップ企業などを援助。フランクフルトの国際金融競争力を向上させていく考えだ。

IT設備の完備したフィンテック支援拠点を市東部のボルンハイム地区に4月に開設し、スタートアップ企業などに提供する。同拠点に入居した企業はドイツ取引所の社員の支援を受けながら事業アイデアの具体化に取り組む。同社社員は事業資金の確保、事業ネットワークの構築、潜在顧客である金融企業への仲介といった支援を行う。

同拠点に入居予定のフィンテックは現在3社で、そのうち2社は金融ポータル、1社は保険分野に特化している。同拠点はフランクフルトの金融競争力向上を目的としているため、ドイツ取引所は同社に事業に関係のないフィンテックも支援する。

ドイツではIT起業の地として首都ベルリンの人気がダントツで高い。ハイテク起業に適した環境が整っているためだ。インフラの充実や生活の質の高さ、比較的安い家賃と物価も吸引力になっている。

ただ、フィンテックの顧客企業は金融センターであるフランクフルトに集中しており、ベルリンのフィンテックは顧客を開拓するために長距離の出張を余儀なくされている。フランクフルトの立地環境が改善されれば、フィンテックが同市に拠点を構えやすくなり、顧客企業との交流が活発化。市の金融競争力アップにつながる。

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