世界初の燃料電池車カーシェア、工業ガスのリンデが今夏スタート

工業ガス大手の独リンデは7日、水素燃料電池車(FCV)に特化したカーシェアリングサービスを開始すると発表した。水素FCVのカーシェアは世界初。FCVは電気自動車(EV)よりも航続距離が長いことから、EVカーシェアでカバーできない需要を掘り起こす考えだ。まずは今夏にミュンヘンでスタートし、順調であれば他の都市にも拡大していく。

新設した子会社リンデ・ハイドロジェン・コンセプツが「ビーゼロ(BeeZero)」ブランドでサービスを提供する。現代自動車のFCV「ix35フューエルセル」合わせて50台をミュンヘン市内のシュヴァービング、ハイトハウゼン、アウ、グロッケンバッハ地区に配備。利用者はインターネットないしスマートフォンのアプリで予約・利用する。リンデは現代自以外の水素FVCの利用を排除しないとしている

航続距離は400キロメートルを超える。このため、航続距離が短く都市内での利用を想定したEVカーシェアと異なり、利用者はミュンヘン近郊の山岳・湖沼地帯に遠出できる。

利用後は借り受けた場所まで車両を戻さなければならない。この点は乗り捨て可能な都市型のEVカーシェアより利便性が低い。料金は未定だが、リンデは市場で一般的な水準に抑える考えを示している。

燃料の水素は有害物質を一切排出することなく持続可能な方式で生産する。

リンデは水素・燃料電池技術に関する「国家技術革新プログラム(NIP)」の枠組みを利用して連邦交通・デジタルインフラ省から資金支援を受ける考えで、現在、申請手続きを行っている。

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