ルフトハンザがブリュッセル航空を完全買収か

航空大手の独ルフトハンザがベルギーのブリュッセル航空への出資比率を引き上げ完全子会社化することを検討しているもようだ。『南ドイツ新聞(SZ)』が13日に報じたもので、ベルギーの投資家コンソーシアムが保有する株式55%を取得する見通しという。ロイター通信によると、ルフトハンザはこれとは別に北欧系航空会社SASへの出資交渉を昨年秋から進めているという。同社は報道内容へのコメントを控えている。

ルフトハンザは2008年、ブリュッセル航空株45%を6,500万ユーロで取得した。残り55%についても最大2億5,000万ユーロで譲り受けるオプション権を11年以降、保有している。SZ紙によると、ルフトハンザは同権利の行使について27日の監査役会で決定を下す見通しという。

ルフトハンザはブリュッセル航空を完全傘下に収めると◇欧州連合(EU)欧州委員会の所在地であるブリュッセルを行き来する役人やロビーストを顧客として取り込める◇これまで手薄だったアフリカ向けフライト事業を強化できる――といったメリットを期待できる。

SASはスウェーデンのストックホルム、ノルウェーのオスロ、デンマークのコペンハーゲンをハブ拠点とする北欧系の航空会社で、スウェーデンが21.4%、デンマークが 14.3%、ノルウェーが14.3%を出資している。同3カ国は計 49.9%の保有株を放出する考えという。ロイター通信によると、ルフトハンザはSASを必ずしも買収する必要はなく、消息筋は単なる提携も考えられるとしている。

ルフトハンザは格安航空部門ユーロウィングの拡大に取り組んでおり、ブリュッセル航空、SASを買収した場合は同部門に組み込む可能性もあるようだ。