ドイツ銀が特別監査受け入れ、投資家保護団体と合意

ドイツ銀行の法令遵守体制を吟味するため特別監査を実施することで、同行とドイツ有価証券投資家保護協会(DSW)が合意した。DSWが14日明らかにし、同行が追認したもので、独立した第3者機関による監査を求めていたDSWの要求をドイツ銀が受け入れた格好だ。

ドイツ銀はロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の不正操作や米モーゲージ担保証券(MBS)の販売など過去の不正行為に絡んで巨額の引当金を計上。財務が悪化している。今後新たな司法リスクが発覚する可能性を排除できないこともあり、DSWは昨年5月の株主総会で、第3者機関による特別監査の実施を要求した。

これに対しドイツ銀の監査役会は、司法リスクを突き止めるために内部調査と外部の手による調査をすでに実施済みだと指摘。新たに監査を行うことはコストの浪費だとして受け入れを拒否した。

DSWはこれを不服として提訴した。第1審のフランクフルト地方裁判所は同協会の訴えを2月に棄却。DSWは控訴していた。今回の合意成立を受けて控訴を取り下げた。

DSWは株主総会で、(1)行員による新たな不正を予防するための体制をしっかり構築したか(2)法令リスクの引当金をすでに十分に積み立てているか――の2点を第3者機関による監査で調査することを要求した。今回の合意では(1)についてのみ監査を実施すると取り決めており、DSW側もドイツ銀に譲歩した格好だ。

同監査は独監査法人大手のBDOが実施。結果はドイツ銀のホームページで公開される。

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