石油大手トタルが電池メーカー買収へ

石油メジャーの仏トタルは9日、電池製造の仏サフトを買収することで合意したと発表した。トタルは再生可能エネルギー事業を強化しており、その普及拡大に欠かせない蓄電池事業を強化する考えだ。

株式公開買い付け(TOB)を実施して、サフトを買収する。1株当たりの買収提示額は前営業日(6日)の終値を38.3%上回る36.50ユーロ。サフトを9億5,000万ユーロと評価して買収を行う。

サフトは産業用のニッケル電池、リチウム電池の有力企業。世界19カ国で事業を展開し、計14の工場を持つ。従業員数は4,100人で、昨年は約7億6,000万ユーロを売り上げた。

トタルは2011年、米太陽電池パネル大手のサンパワーを買収し、再可エネ事業に参入した。風力や太陽光を利用する発電は発電量が天候に大きく左右され、需要とのギャップが生じやすいため、再可エネの利用を広げるためには余剰電力を一時的に蓄える蓄電設備の整備が必要となる。