自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は24日、アプリを利用した配車サービスの有力企業であるイスラエルのゲット(Gett)と戦略提携すると発表した。ゲットに3億ドルを投資。欧州市場向けを中心にオンデマンド移動サービスを共同開発していく。2025年までに売り上げの少なからぬ部分を配車サービス事業で獲得することを目指している。
ゲットは欧州配車サービス市場の有力企業で、ロンドン、モスクワ、ニューヨークなど世界60以上の都市で事業を展開している。乗客輸送のほか、デリバリー、物流サービスも手がけており、4,000社以上の企業を顧客に持つ。競合大手の米ウーバーと異なり、ドライバーは全員、旅客輸送免許を保持している。
ビッグデータや人工知能など最新のIT技術を利用しており、将来的にはこれらの技術をベースに自動運転車を用いた配車サービスを展開する考えだ。
VWは新たな移動サービスの開発に向けて法的に独立した企業を設立する予定。マティアス・ミュラー社長は「わが社は自動車事業で最先端を走るだけでなく、移動サービスでも25年までに世界をリードする企業になるつもりだ」と抱負を語った。