VWの商用車子会社が物流業界向けソフト会社に出資

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は30日、商用車子会社のMANトラック・アンド・バスが物流業界向けソフトウエアを開発する米スタートアップ企業FR8・レボリューションに最大850万ドルを出資すると発表した。FR8のノウハウを吸収して欧州で同様のサービスを提供。従来型の商用車メーカーから「インテリジェント・輸送ソリューション」の提供者への脱皮を加速する。

物流業界では貨物仲立人(フレイトブレーカー)が物品の運送を委託する荷送人と運送会社の間に入ってトラックの積載率・輸送効率を高めている。ただ、貨物仲立人は電話やファックス、電子メールでこうした仲介作業を行うなど、効率が悪い。

FR8は荷送人と運送会社およびトラック運転手をリアルタイムで結ぶプラットフォームを開発している。これを利用すると、トラックが現在どこにあるのかや、積載能力にどの程度のゆとりがあるのかが瞬時に判明。料金の比較もできるため、仲介効率と輸送効率がともに大幅に向上する。FR8は6月末までに同プラットフォームを市場投入する予定だ。

VWは傘下ブランドのMAN、スカニアで販売するトラックを来年からすべてインターネット対応とする計画。VWの商用車事業を統括するアンドレアス・レンシュラー取締役は「(FR8との提携で得られる)経験とアイデアを欧州とわが社のブランドに移転する」考えを示した。

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