ビルフィンガーが建築・ファシリティ部門を投資会社に売却

経営不振の独建設大手ビルフィンガーは2日、建築・ファシリティマネジメント部門をスウェーデンの投資会社EQTに売却することで合意したと発表した。売却価格は12億ユーロ。ビルフィンガーは業績の足かせとなっている発電所向けサービス部門も売りに出しており、経営資源を産業向けサービス部門に絞り込む考えだ。

同社は昨年10月、建築・ファシリティマネジメントと産業向けサービスの2部門を経営の2本柱とする方針を打ち出した。だが今年1月に突然、建築・ファシリティマネジメント部門の売却方針を表明した。

背景には筆頭株主であるスウェーデンの投資会社セビアンの意向があるもようだ。同投資会社は2011年、ビルフィンガー株12%を取得。その後、出資比率を引き上げて現在は26%を保有している。この間、ビルフィンガーの経営が悪化し株価が大きく下落したため、セビアンは大きな損出を出している。

ビルフィンガーは昨年6月、それまで中核事業と位置づけてきた業績不振の発電所向けサービス部門の売却方針を打ち出したが、再生可能エネルギーを優先するドイツのエネルギー転換政策の影響で買い手がみつからないことから、セビアンの要請を受けて高い売却益が見込める建築・ファシリティマネジメント部門を放出したとみられる。