ダイムラーがEV投入本格化

高級車大手のダイムラーが電気自動車(EV)事業を本格化するもようだ。経済紙『ハンデルスブラット(HB)』が22日報じたもので、EV専門のサブブランドを新設。まずはメルセデスブランドのSUV、「GLC」をベースとするEVを9月のパリモーターショーで公開し来年にも発売する。今後2〜3年で計6モデルを市場投入する計画という。同社はHB紙の問い合わせにコメントを控えている。

同紙によると、これらのモデルは航続距離が500メートルと長い。また、製造に際しては専用の生産ラインを用いず、ガソリン車やディーゼル車との混流生産とする。これによりコストを削減するとともに、需要に柔軟に対応できるようにする考えだ。

EV事業本格化の背景には、テスラなど米新興企業の台頭と、ディーゼル車に対する消費者などの信頼がフォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題をきっかけに揺らいでいることがある。ダイムラーのディーゼル車にも疑惑の目が向けられており、米国では同社製車両の所有者が2月に集団訴訟を起こした。

ダイムラーがEV攻勢の第一弾としてSUVを投入するのは、◇床下に電池を組み込むスペースを確保しやすい◇重量の大きい電池を床下に組み込むことで重心が低くなり走行が安定する――といったメリットがあるため。