フォルクスワーゲン(VW)の高級車子会社アウディは14日、中国同業の第一汽車(FAW)との提携を強化することで合意したと発表した。電気駆動車を同国で共同生産するほか、移動・デジタルサービスの合弁会社を設立する。
アウディはVWとFAWの現地合弁、一汽大衆汽車(FAW-VW)で今後5年間に電気駆動車「e-トロン」を5モデル生産する。これらモデルのなかには航続距離500キロメートル超の電気自動車(EV)も含まれる。2025年までにはすべての量産セグメントでSUVとセダンを少なくとも1モデル、現地生産する計画だ。第一弾として年内にもプラグインハイブリッド車「A6 L e-トロン」を製造する。
アウディはまた、VWの提携先である上海汽車(SAIC)との提携に向けて協議を開始したことを明らかにした。詳細は伏せている。SAICによると、アウディ車の合弁生産について話し合う。また、電気駆動車とインターネットベースの移動サービスの分野でも協力の可能性を模索する。
アウディは中国の高級車市場で1位の地位を保っているものの、競合BMW、メルセデスに追い上げられていることから、これまでFAWに限られていた現地提携先をSAICにも拡大。独走態勢を堅持する考えだ。