ドイツ連邦統計局が29日発表した11月の消費者物価指数(速報値)は前年同月比0.8%増となり、インフレ率(物価変動率)は前月と同じ水準にとどまった。食料品が前月の横ばいから1.2%増へと大きく上昇したものの、エネルギーの下げ幅が1.4%から2.7%に拡大し全体が押し下げられた格好。サービスの上げ幅も1.3%から1.1%に縮小し、押し上げ効果が弱まった。消費者物価の前月比の変動率はプラス0.1%だった。
ドイツの前年同月比のインフレ率は4月にマイナス0.1%へと下落したものの、その後は上昇基調が続いており、10月には2年来の高水準である0.8%まで回復した。エコノミストらはインフレ率が今後、加速するとみており、政策銀行KfWのエコノミストは来年1月には欧州中央銀行(ECB)が適正水準とする2%を4年ぶりに突破するとの予想を示した。
欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比が0.7%、前月比が0.0%だった。