電機大手の蘭フィリップスは12日、米国に本社を置く照明子会社ルミレッズを米投資会社アポロ・グローバル・マネジメントに売却することで合意したと発表した。フィリップスは経営資源を収益力の高い医療機器とライフスタイル家電分野に絞り込む方針を打ち出しており、5月には照明部門フィリップス・ライティング(ルミレッズを含まない)の新規株式公開(IPO)を実施。今回の取引により照明事業からの撤退をほぼ完了する。
ルミレッズの企業価値を、債務などを除いたベースで約20億ドルと評価うえで、同株80.1%をアポロに譲渡する。売却益は現金およそ15億ドル。ルミレッズの資本残り19.9%は手元に残す。
フィリップスはルミレッズを当初、中国系の投資会社であるゴー・スケール・キャピタルを中心とするコンソーシアムに売却する計画だったが、米国への直接投資(FDI)が国家安全保障に脅威とならないかを調べる対米外国投資委員会(CFIUS)が強い懸念を示したため、今年1月に断念した。
ルミレッズはLED照明部品と自動車照明を手がける企業。世界30カ国以上で事業を展開しており、従業員数は約9,000人に上る。2015年の売上高は約20億ドルだった。