複合企業フロイデンベルク、自動車防振部品子会社のIPO視野に

独複合企業フロイデンベルクは5日の決算発表で、自動車防振部品を手がける完全子会社ビブラコースティックの新規株式公開(IPO)を検討していることを明らかにした。フロイデンベルクは複数の買収を視野に入れており、IPOを実施すると買収資金が拡大することになる。IPOを行うかどうかを年内に決定する考えだ。

フロイデンベルクの買収資金は現在、20億〜30億ユーロ。ビブラコースティックのIPOを実施すると最大で同40億ユーロに拡大する。

ビブラコースティックはスウェーデン企業トレルボルグとの折半合弁として2012年に設立されたが、トレルボルグが資本撤退の意向を表明したため、フロイデンベルクは昨年1月1日付で100%子会社化した。IPOを実施しても子会社にとどめる方針だ。

フロイデンベルクの16年12月期の売上高は前期比23.3%増の79億10万ユーロと大きく拡大した。為替差益のほか、ビブラコースティックと日本バイリーンの買収で水準が押し上げられた格好。事業効率を改善したこともあり、営業利益(EBIT)は前期(5億8,390万ユーロ)の2倍強の12億4,540万ユーロへと拡大した。純利益も5億2,080万ユーロから10億8,690万ユーロへと倍増している。

17年12月期は買収売却を除いた実質の売上高で1〜3%増、営業利益でやや増加を見込む。