独海運大手のリックマースは1日、ハンブルク区裁判所に民事再生手続きの適用を申請した。主要な融資銀行であるHSHノルトバンクが経営再建計画への支持を拒否したためで、今後は自己管理型の経営再建を目指す。
リックマースは1834年創業の老舗海運会社。近年は世界的な海運不況で業績が悪化しており、累積債務は約15億ユーロに達する。
経営陣は事態の打開に向け、融資銀行と社債保有者が債権の大部分を放棄する代わりに、同社資本を合わせて75.1%取得することなどを柱とする経営再建計画を作成したが、HSHノルトバンクはこれでは経営再建を実現できないと判断し、承認を拒否した。
HSHノルトバンクは造船融資分野の有力銀行で、自らも海運不況の直撃を受けて体力が低下している。