次世代ICEは予定通り12月運行開始

ドイツ鉄道(DB)は21日、高速鉄道の次世代モデル「ICE4」を従来計画通り12月から運行するとの声明を出した。運行開始が遅れるとした『シュピーゲル』誌の報道を否定したもので、同誌が指摘した試験運転での問題はすでに解決策が見つかったと強調した。

DBが昨年12月から行っているICE4の試験運転で、高周波振動が確認された。シュピーゲル誌はこれを受け、最悪の場合は商業運転の認可を受けられない可能性があると報じた。

これに対しDBは、確認された高周波振動は乗り心地を悪くするものの、安全性には影響がないと指摘。そのうえで、すでに暫定的な解決策が見つかっており、同社と製造元のシーメンスは今後、これを改善して最終的な解決策を講じることを明らかにした。試験運転で得られた知見は商業運転用車両の量産に反映させていくとしている。

ICE4は全長346メートルで、座席数は830(一等車205、二等車625)。最高速度は時速250キロメートルで、第1世代の車両である「ICE1」の280キロを下回るものの、省エネ性能と快適性は大幅に改善。シート1席当たりのエネルギー消費量は22%低下した。また、エアコンはマイナス25度からプラス45度までの外気温に対応できるため、猛暑時や厳寒時に故障するリスクは大幅に下がった。

DBは動力集中方式を採用したICE1と「ICE2」を漸次、ICE4(「ICE3」と同じ動力分散方式)へと切り替えていく計画だ。

上部へスクロール