鉱物大手の独K+Sは9日、組織再編計画「シェイピング2030」を発表した。これまで製品分野別に編成してきた組織を顧客分野別の編成に転換。シナジー効果を引き出すとともに有利子債務を半減する。2030年には営業利益(EBITDA)を16年の6倍の30億ユーロへと引き上げる目標だ。
同社の組織はこれまで主要製品であるカリウム・マグネシウム、および塩をもとに編成されてきた。だが、これでは顧客ニーズにきめ細かく対応できないことから今後は農業、製造業、消費者、自治体という顧客分野別の編成へと改める。
シナジー効果は生産、管理、調達、物流分野で引き出す考えで、事業のデジタル化も活用。20年末までに最低でも年1億5,000万ユーロを達成する計画だ。昨年末時点で36億ユーロへと膨らんだ有利子債務は20年末までに18億ユーロへと圧縮する。
K+Sは天候や塩化カリウムの市場価格など外的要因に利益が大きく左右される現状も改める考えで、特殊製品や点滴灌漑など周辺分野の事業を拡充していく。