塗料大手アクゾが米アクサルタと合併交渉

塗料大手の蘭アクゾノーベルは30日、米同業アクサルタと合併交渉を進めていると発表した。メディア報道を追認した格好。合併が実現すると、時価総額がおよそ270ユーロに上る巨大塗料メーカーが誕生する。来年4月までに分離予定の特殊化学品部門は合併交渉の対象から除外されている。

アクゾは「デュラックス」や「ハンマーライト」などのブランドを展開する世界最大手の塗料メーカー。一方のアクサルタは自動車用塗料の有力メーカーで、大型トラック用塗料では北米市場で最大シェアを誇る。

アクゾは今年3月、業界2位の米PPGインダストリーズから買収提案を受けたが拒否。PPGは条件を引き上げたがアクゾは再度拒否し、代わりに売上高の約3分の1を占める特殊化学品部門を売却または独立させる方針を打ち出した。

しかし、PPGとの交渉に応じようとしないアクゾ経営陣の姿勢が一部株主の怒りを買い、トン・ビュークナー最高経営責任者(CEO)は7月、病気を理由に突然辞任。PPGが再び買収を仕かけてくる可能性もあるなか、後任のティエリー・ファンランカー氏を中心とする新経営陣は株主価値を高める方策を検討していた。

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