電通国際情報サービス(ISID)は8日、独フラウンホーファー協会メカトロニクスデザイン技術研究所(IEM)と共同で合弁会社トゥーピラーズを独西部のパーダーボルンに設立したと発表した。モデルベースシステムズエンジニアリング(MBSE)分野で事業を展開していく。フラウンホーファーと日本企業が合弁を設立するのは初めて。出資比率や出資額は明らかにしていない。
MBSEは大規模で複雑なシステム・製品の開発に当たって機械工学、電子工学、情報工学など専門分野の異なるエンジニア同士が「モデル」を共通言語としてコミュニケーションをとりながら開発を進めていくための手法。近年のIoT の進展により、単体のシステムや製品の開発効率を高めるだけではなく、周辺システムとの連携を前提とするスマートコネクティッド製品を開発するための手法として認知が高まっている。
新会社は欧州の製造業向けにISID の構想設計支援システム「iQUAVIS(アイクアビス)」をベースとしたMBSE プロセス支援機能と、IEM が持つMBSE メソッド「CONSENS(コンセンス)」をベースとしたコンサルティングサービスの提供を行っていく。
IEMは欧州でCONSENS の展開を加速するために準拠ツールの調達を計画していた。ISIDもiQUAVIS の機能強化と世界市場投入を目論んでいたことから、両者の思惑が一致し、今回の合弁設立に至った。IEM は合意に先立ち、欧州の主要なMBSEツールを対象に評価を実施。iQUAVIS をCONSENS と最も親和性の高いツールと評価した。