自動車部品大手の独ボッシュは21日、固体酸化物形燃料電池(SOFC)開発の有力企業である英セレス・パワーと戦略協業合意したと発表した。SOFCの量産化技術を確立する考え。
開発・生産分野で協働するほか、セレスに4%出資する。出資額は明らかにしていない。
SOFCは高温の固体電解質を用いた燃料電池。燃料電池のなかでは稼働高温が最も高く、単独の発電装置としても発電効率が最も高い。必要な部品点数が少ないことから、小型化や低コスト化のポテンシャルが大きい。
セレスはSOFCの量産技術を確立し、分散型電源として都市や工場、電算センター、電動車給電施設など幅広い分野に投入することを目指している。
ボッシュは都市化の動きが今後、世界的に加速していくと、分散型電力のニーズが高まると判断し、セレスとの協業に踏み切った。また、余剰な再生可能エネルギー電力を利用して製造した水素をSOFCの燃料として投入すれば、再可エネの普及拡大と環境負荷の軽減につながると期待している。