ドイツ銀行の筆頭株主である中国の複合企業・海航集団(HNAグループ)が同行から全面的に資本を引き上げるとの観測が浮上している。『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙が報じたもので、両社は報道内容へのコメントを控えているものの、HNAの関係者は『ハンデルスブラット』紙に、資本撤退の時期は未定だが、売却計画があることを認めた。
HNAは資金繰りが悪化し、すでに巨額の資産を売却した。それでも状況は改善しておらず、6月には中国政府の関係者と王健社長、出資者が会談。中核事業である旅行と航空分野に経営資源を絞り込むことを条件に政府がHNAを支援することを取り決めた。
HNAは昨年2月、低迷するドイツ銀株3.04%を取得して資本参加した。その後、出資比率を引き上げ一時は9.9%を保持していたものの、現在は7.64%まで引き下げている。