自動車大手アウディ、9月販売が22%減少

フォルクスワーゲン(VW)の高級車子会社アウディが5日発表した9月の新車販売台数は前年同月比22.0%減の13万9,150台と大幅に落ち込んだ。欧州連合(EU)の排ガス検査方式が変更されたことが直撃した格好で、欧州販売は55.5%減の3万7,200台と半分以下に激減。全体を強く押し下げた。

EUでは排ガス検査方式が従来の「新欧州ドライビングサイクル(NEDC)」から「世界統一試験サイクル(WLTP)」へと切り替えられ、WLTPをクリアしない車両は9月1日から新車登録できなくなった。アウディはNEDCに比べて検査精度が高く、同じ車両でも排ガス測定値が高くなるWLTPへの対応に苦戦。WLTPをクリアしていない車両は8月末までに新車登録しなければならないことから、7月と8月は駆け込み販売を通して販売実績を大きく拡大したものの、9月はその反動で激減した。WLTP未対応の車両を顧客に引き渡せないことも響いている。

EU主要5カ国での販売台数はすべて50%以上、落ち込んだ。減少幅はドイツで69.4%、スペインで59.4%、英国で53.6%、フランスで52.6%、イタリアで52.0%に上る。

最大市場の中国は好調で、12.5%増の6万5,767台へと拡大。メキシコも24.6%増の1,237台と大きく伸びた。米国は0.2%増の1万9,350台だった。

アウディの1-9月期の販売台数は140万7,700台で、前年同期を2.0%上回った。欧州は6.8%減と振るわなかったものの、中国が15.4%増えて全体をけん引。米国も4.0%伸びた。

同社は2018年全体の販売台数で前年とほぼ同水準を確保できると予想している。