ドイツ連邦統計局が16日発表した8月の輸入物価指数は前年同月比で4.8%増加し、上げ幅は前月(同4.8%)と同じ高水準となった。エネルギーが33.2%上昇したことが大きく、エネルギーを除いた輸入物価は1.7%増にとどまった。
エネルギーでは電力と原油、石油製品の上げ幅が特に大きく、それぞれ84.9%、41.1%、37.4%に達した。天然ガスは同25.4%、石炭は7.3%だった。
中間材は4.1%増となり上げ幅は前月の3.5%から拡大した。リグニン・セルロースが22.2%、鉄鉱石が16.2%、粗鋼・鉄鋼・鉄合金が10.6%上昇し、全体を押し上げた。非鉄金属鉱石は0.9%増、非鉄金属は2.2%増で、粗銅は4.6%下落した。
投資財は0.2%上昇した。自動車が1.0%増、機械が0.8%増と投資財の平均を上回る伸びを記録。電子記録媒体は11.7%低下した。
消費財は0.2%上昇した。内訳は非耐久消費財が0.9%増、耐久消費財が横ばいだった。
農産物は1.3%下落した。特にコーヒー生豆(16.9%減)、天然ゴム(13.4%減)で下げ幅が大きい。仁果類・核果類は11.3%、穀物は9.3%上昇した。
8月の輸入物価指数は前月比では変動がなかった。エネルギーが横ばいだったことから、エネルギーを除いたベースでも物価に変動はなかった。エネルギーでは電力が13.6%増と上げ幅が大きく、石油製品は同1.7%、天然ガスは0.4%にとどまった。石炭と原油はそれぞれ1.7%、1.2%落ち込んだ。
8月の輸出物価指数は前年同月比で2.1%、前月比で0.2%それぞれ上昇した。
統計局は今回の統計から輸出物価・輸入物価指数の基準年をこれまでの2010年から2015年へと変更した。これに伴い過去の数値は変動しており、例えば7月の輸入物価は前年同月比の上げ幅が5.0%から4.8%へと引き下げられた。