独複合企業ティッセンクルップが21日発表した2018年9月通期の株主帰属の純利益(売却した米鉄鋼事業を除いた実質ベース)は800万ユーロとなり、前期の2億1200万ユーロから96%減少した。本業の不振のほか、鉄鋼分野のカルテルに絡んで引当金を計上したことが響いた。
本業のもうけを示す営業利益(EBIT、調整済み)は15億5,100万ユーロで、前年同期を10%割り込んだ。プラント建設と造船を手がける産業ソリューション部門が受注不振とプロジェクト費用の増加で赤字へと転落。部品部門も品質問題に伴う引当金計上や為替差損で48%の減益となり、足を強く引っ張った。エレベータ部門は6%減だった。非継続事業の欧州鉄鋼部門は26%の増益となった。
売上高は3%増の427億4,500万ユーロで、売上高営業利益率は前年同期の4.2%から3.6%へと落ち込んだ。新規受注高は横ばいの427億5,400万ユーロだった。
19年9月期は継続事業ベースのEBIT(調整済み)が18年9月期の7億600万ユーロから10億ユーロ超へと拡大すると予想している。
ティッセンクルップは今回、同社を工業会社と素材会社へと分割する計画を20年1月の株主総会で決議する見通しを明らかにした。