独化学工業会(VCI)は4日の年次記者会見で、同国化学・製薬業界の2018年の生産成長率を引き下げた。欧州連合(EU)からの英国の「無秩序離脱」懸念や通商摩擦を背景に下半期に景気が減速したためで、従来予測の3.5%から2.5%へと下方修正した。
売上高については前年比4.5%増の2,040億ユーロとなり、2,000億ユーロを初めて突破するとした従来予測を据え置いた。出荷価格の上昇率を従来見通しの1.5%から2%へと引き上げたため。
生産高見通しを部門別でみると、化学分野ではファイン・スペシャル化学(1.5%増)を除いてすべて減少する。減少幅は石鹸・洗剤・化粧品で3%、基礎化学品で2.5%、ポリマーと石油化学品で各2%。製薬は11.5%増加し、全体を強く押し上げる。
来年は景気の低迷が一段と強まる見通しで、VCIは生産成長率が1.5%、出荷価格の上昇幅が1.0%、売上成長率が2.5%に低下するとみている。