台湾当局は7日、独化学大手BASFの機密情報を中国企業に提供していたとして、同社の社員1人と元社員5人を逮捕したと発表した。BASFは社員逮捕の事実などを追認したうえで、知財権保護体制を強化する意向を表明した。
犯人は中国の特殊化学メーカー江陰江化微電子材料から報酬を得る見返りとして、BASFが持つ技術情報を違法に提供していた。BASFは台湾で半導体・ディスプレー向けの高純度材料を製造しており、これを標的にしたもようだ。同社が受けた被害額は最大で年1億ユーロに達するという。
江陰江化微電子材料はマイクロエレクトロニクス・オプトエレクトロニクス産業向けに高純度の試薬を生産する企業。売上高は約6,000万ドルに上る。