日立化成が再生医療製品の独社買収

日立化成は1月31日、再生医療等製品を受託製造する独アプセス・バイオファーマ(アプセスバイオ)の全株式を取得し子会社することで合意したと発表した。米国に次ぐ世界2位の再生医療市場である欧州で事業を拡大する狙い。買収金額は7,550万ユーロ(約94億円)。4月の買収手続き完了を見込む。

アプセスバイオは2015年の設立で、ミュンヘンに本社を置く。主に欧州、米国の製薬メーカー向けに再生医療等製品の受託製造を行っており、がん免疫療法用細胞、iPS細胞、間葉系幹細胞など、さまざまな種類の治験用の再生医療等製品の製造で実績がある。

日立化成はライフサイエンス事業を将来の基盤事業へと育成する方針の一環で、再生医療事業を立ち上げて強化。17年に再生医療等製品の受託製造を行う米PCT(現日立化成アドバンスド・セラピューティクス・ソリューションズ)を子会社化した。また、18年には横浜市で再生医療等製品の製法開発や受託製造を行う施設の稼働を開始し、日米で再生医療事業を行ってきた。今回のアプセスバイオ買収によりドイツに製造拠点を獲得。日米欧の3極にまたがる生産体制を構築する。