ドイツ連邦陸運局(KBA)が4日発表した1月の乗用車新車登録台数は26万5,702台となり、前年同月を1.4%下回った。比較対象の2018年1月は同11.6%増の26万9,429台と大きく伸び1999年以来の高水準に達しており、今年はこれを超えることができなかった。新車登録は欧州連合(EU)の排ガス検査方式が変更された昨年9月から前年同月割れが続いており、減少はこれで5カ月連続となった。
マイカーとしての登録が7.0%減少。同シェアは前年同月の35.1%から33.1%へと落ち込んだ。社用・公用車は1.6%増で、シェアは64.9%から66.8%へと拡大した。
新車登録を動力源別でみると、ガソリン車は8.1%減少し、シェアは前年同月の61.8%から57.6%へと縮小した。大都市での市内乗り入れ制限論議を背景にここ数年、需要が減少していたディーゼル車は2.1%増加し、シェアは33.3%から34.5%へと拡大した。
環境対応車では電気自動車(EV)が68.2%増の4,648台と大きく伸び、シェアは前年同月の1.0%から1.7%へと拡大した。ハイブリッド車(HV)も66.4%増の1万5,171台と好調で、シェアは3.4%から5.7%へと伸びた。プラグインハイブリッド車(PHV)は26.2%減の2,119台と振るわず、シェアは1.1%から0.8%へと落ち込んでいる。
車種別では大型車の伸び率が最も大きく、35.7%に達した。多目的車(31.4%増)、SUV(16.1%増)、キャンピングカー(10.1%増)も2ケタ台の伸びを記録した。スポーツ車(26.3%減)、中型車(18.4%減)、コンパクトカー(11.1%減)は振るわなかった。コンパクトカーはシェア21.2%でトップを保ったものの、2位SUV(20.4%)が急速に差を縮めている。
走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量は158.7グラムに上った。KBAは今年から、EUの新検査方式「世界統一試験サイクル(WLTP)」に基づくデータのみを公表する方針。WLTPは旧検査方式「新欧州ドライビングサイクル(NEDC)」に比べて精度が高く、排ガス値が大きくなる。このためNEDCで測定した前年同月の数値をWLTPで測定した今年1月の数値と比較することに統計学的な有意性はなく、KBAはCO2排出量の前年同月比を今年は公表しないことにしている。
増加率が最も大きかったブランドはテスラで、前年同月比117.5%増の137台へと拡大した。これにスバルが46.5%増の807台で続き、3位はボルボ(39.7%増の3,786台)だった。
ドイツ車ではフォードが14.6%増の2万1,064台と好調で、スマート(7.6%増の3,279台)、アウディ(3.7%増の2万1,814台)、ミニ(3.3%増の3,744台)も前年同月を上回った。他のブランドはメルセデスが4.3%減の2万5,292台、VWが6.5%減の5万823台、オペルが6.6%減の1万6,225台、BMWが7.5%減の1万9,198台と振るわず、ポルシェは53.8%減の1,318台へと大きく落ち込んだ。
スバル以外の日本車ではスズキ(18.5%増の2,965台)が増加。その他はすべて減少した。各ブランドの実績は三菱が2.5%減の3,290台、マツダが2.8%減の5,587台、トヨタが4.1%減の6,656台、レクサスが9.0%減の181台、ホンダが34.6%減の1,079台、日産が39.9%減の2,879台だった。
日本車以外の主な輸入ブランドではダチア(13.9%増の6,603台)、現代(11.7%増の9,290台)、シトロエン(10.0%増の4,782台)が2ケタ増を記録。フィアット(7.9%増の4,941台)、セアト(6.2%増の8,218台)、プジョー(5.1%増の6,099台)、起亜(4.4%増の5,418台)、ルノー(2.3%増の9,932台)、ジープ(0.5%増の1,212台)も増加した。その他はシュコダが1.6%減の1万4,668台、DSが6.3%減の222台、ランドローバーが12.3%減の1,831台、双竜が24.4%減の161台、ジャガーが25.9%減の543台、アルファロメオが31.6%減の309台だった。
一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した1月の乗用車生産台数は前年同月比19%減の36万7,300台と大きく落ち込んだ。ストライキが響いたとしている。輸出台数も20%減って28万5,800となった。