機械業界生産成長率、昨年は2%止まり

ドイツ機械工業連盟(VDMA)は8日、独業界の生産成長率が2018年は2%(暫定値)にとどまり、同連盟の予想(5%)を大幅に下回ったと発表した。機械メーカーのキャパシティ不足のほか、11月以降に生産が急減速したことが響いた。

ドイツでは専門人材不足が経済の大きな足かせとなっている。その影響は機械業界でも鮮明で、VDMAが会員企業を対象に実施した10月のアンケート調査では「人材不足に困っている」との回答が27%に上った。「材料不足に困っている」も28%と多い。

1-10月期の機械業界生産高は前年同期を3.7%上回っていた。受注残も高い水準にあったことから、VDMAは18年予測(5%増)を堅持していた。だが11-12月の生産高が予想に反して前年同期比8%減と大きく落ち込んだことから、18年実績が小幅増(2%増)にとどまった。VDMAのエコノミストは地政学的なリスクを受けて先行き懸念が強まったことが響いたと説明している。

VDMAは今回、19年の生産成長率が2%に上るとした昨年9月の予測を据え置いた。景気見通しはこの間、悪化したものの、11月時点の受注残が8.5カ月と大きいことから、下方修正を見合わせた。

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