ドイツ機械工業連盟(VDMA)は1日、独業界の今年の生産成長率を従来予測の実質2%から1%へと引き下げた。米国と中国、欧州連合(EU)などの通商摩擦を受けて新規投資抑制の動きが強まっているため。受注残は8.5カ月と高い水準を保っているものの、景気の勢いは国内外で弱まっていることから、下方修正が避けられなくなった。
2018年の生産成長率は実質2.1%となり、VDMAの予測(5%)を大幅に下回った。また、売上高は過去最高の2,325億ユーロとなったものの、伸び率は1.3%にとどまった。売り上げの約79%に当たる1,780億ユーロ弱を輸出が占めた。
一方、VDMAが独機械メーカーを対象に18年に実施した事業のデジタル化に関するアンケート調査によると、IoTプラットホームを「有意義」とする回答は75%に達した。16年の調査では60%以上が「わからない」「重要でない」と答えており、2年間でIoT理解が進んだことがうかがわれる。製品、サービス、事業プロセス分野でデジタル戦略を持つ企業も21%から40%へと倍増している。人工知能(AI)分野への投資額は今年4億~5億ユーロに達し、機械業界全体の投資額の6%以上を占める見通しという。