EV専用車台採用モデルの第一弾、VWが予約販売開始

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は8日、VWグループの電気自動車(EV)専用車台である「MEB」を採用したコンパクトカー「ID.3」の事前予約受付を欧州で開始した。同モデルはMEB採用車の第一弾。VWは今後、EVの車種を大幅に増やしていく計画で、2028年までにMEB採用車を2,200万台、販売する目標だ。

ID.3では車載電池の容量を選択できる。航続距離は容量に応じて異なっており、最大容量の車両では550キロに上る。最小容量の車両は同330キロ。価格は最小容量のモデルで3万ユーロ未満となっている。

ID.3は「ビートル」「ゴルフ」に続く「(VW)ブランドの歴史における戦略的に非常に重要な3番目の時代の扉を開く」モデルと位置づけられており、VWは同モデルを通して欧州の車両電動化を実現すると強い意志を表明した。年末に生産に着手し、来年半ばから納車を開始する。ノルウェー、ドイツ、オランダ、フランス、英国、オーストリアの6カ国を重要市場と設定している。年平均10万台以上の販売を目指す。

事前予約では3万台限定の特別車を販売する。手数料1,000ユーロがかかるものの、9日付のプレスリリースによると、受付開始から24時間で1万件を超える予約があった。事前予約した顧客は2,000キロワット時(kWh)の無料充電サービスを初年度に受けることができる。