次世代自動運転技術開発でダイムラーとBMWが最終合意

独高級車大手のダイムラーとBMWは4日、次世代の自動運転技術と先進運転支援システム(ADAS)を共同開発することで最終合意したと発表した。2月の基本合意を具体化したもの。自動車業界では電動車、コネクテッドカー、自動運転車の技術開発が財務の大きな圧迫要因となっていることから、両社は協業を通してコストを削減する意向だ。新技術を早期に実用化する狙いもある。

ダイムラーは現在、サプライヤー大手のボッシュと共同で自動運転技術を開発中。BMWもコンチネンタル、インテル、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)などと同分野の共同開発でアライアンスを形成している。両社ともこれら開発の成果を2020年代初頭にそれぞれの車両に投入する計画だ。

今回締結した協業はその次の第2世代の技術開発に照準を合わせたもの。第一弾として高速道路走行と駐車用の自動運転技術、およびADAS(すべて米自動車技術協会=SAE=が定義する「レベル4」以下)を開発し、2024年から車両に投入できるようにする考えだ。両社は市街地用のより高度な自動運転技術でも共同開発を行うことを協議する予定で、協力関係は長期化する見通しだ。

拡張性の高いスケーラブルな自動運転プラットホームの実現を目指しており、他の自動車メーカーやハイテク企業が両社の開発連合に加わることに前向きな姿勢を示している。競合メーカーに同プラットホームをライセンス供与することも視野に入れる。

開発はウンターシュライスハイムにあるBMWグループ自動運転キャンパスと、ジンデルフィンゲンにあるメルセデスベンツ技術センター(MTC)、イメンディンゲンにあるダイムラー検査・技術センターで行う。両社の技術者1,200人以上が共同チームを組むなどして従事する予定だ。自動運転車から得られる走行データを収集、管理、活用するデータセンターの構築も計画している。