DICがBASFの顔料事業買収

DICは29日、独化学大手BASFから顔料事業を譲り受けることで最終合意したと発表した。顔料分野のポートフォリオを拡充し、これまで以上に幅広いソリューションを顧客企業に提供できるようにする狙い。取得価格は9億8,500万ユーロ(1,162億円)。各国当局の承認を経て買収手続きが2020年末までに完了すると見込んでいる。

BASFから取得する事業は独米の主力2社をはじめ計18社で構成される。従業員数は約2,600人。18年の売上高は9億9,200万ユーロ、営業利益(EBIT、特別項目を除く)は7,100万ユーロだった。

DICは中期経営計画で、売り上げと利益を拡大するとともに、事業の質的転換、新事業の実績化、戦略的な買収を通した非連続的成長による事業ポートフォリオの転換を図る目標を打ち出した。これに基づいて今回の買収を決めた。

BASFは事業の整理を進めており、顔料事業からの撤退方針を今年初に表明した。建設化学事業も放出する意向で、マルティン・ブルーダーミュラー社長は先ごろ、売却契約を年末までに締結する考えを示した。

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