自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)グループは30日、3Dディスプレーの有力技術を持つシーリアル・テクノロジーズ(SeeReal Technologies)に少数株主として出資すると発表した。シーリアルが持つ拡張現実技術を活用して運転の安全性と快適性を向上させることが狙い。出資比率と出資額は明らかにしていない。
シーリアルはルクセンブルクに本社を置く企業で、独東部のドレスデンにある子会社で技術開発を行っている。VWとは昨年末から研究協業しており、今回の出資金を自動車分野の技術開発に投入する意向だ。
VWは「将来世代のヘッドアップディスプレーは3次元表示と周辺環境をスムーズに一体化する」と指摘。そうした技術が実用化されると、車両操作はバーチャルなスイッチとディスプレーを通して行われるようになり、従来型のダッシュボードは不要になるとして、シーリアルとの協業は大きな可能性を秘めていると強調した。