自動車部品大手の独コンチネンタルは2日、パワートレイン部門の分離(スピンオフ)を検討することを決議したと発表した。これまでは新規株式公開(IPO)を実施予定だったが、景気減速でIPOを取り巻く環境が悪化していることから、新たな選択肢としてスピンオフの可能性を視野に入れることにした。
コンチネンタルは2018年、同社を持ち株会社へと改めるとともに、パワートレイン部門のIPOを実施する方針を打ち出した。パワートレインはエンジン車と電動車とで大きく異なるため、電動車の普及のスピードなどをにらみながら経営資源の割り振りを行うのは容易でないと判断。こうした状況下で経営のかじを切るためには身軽さが必要と考え、IPOを決断した。
IPOは当初、今年下半期を予定していたが、市場環境が悪化したことから、来年以降に延期することを4月に決定。今回さらに、IPO以外にスピンオフも検討することを決めた。IPO環境の改善のめどが立たないなかでIPOに固執していると、パワートレイン部門が柔軟に活動できる状況を早期に作り出すという所期の目的が達成できなくなると判断した。