車部品のZF、ブレーキ製造のハルデックスから資本引き上げ

自動車部品大手の独ZFフリードリヒスハーフェンは12日、スウェーデンの商用車ブレーキメーカー、ハルデックスから資本を撤退することを明らかにした。ZFは商用車向けブレーキなどを手がける米蘭資本のWABCOを買収することから、ハルデックス株を保持する必要がなくなった。

ZFは2016年、ルクセンブルクに本社を置く商用車部品大手のSAFホラントから敵対的な株式公開買い付け(TOB)を仕かけられたハルデックスに対し、白馬の騎士として友好的なTOBを実施した。これに対し、独ブレーキ大手のクノールブレムゼが横やりを入れたことから、ZFのTOBは失敗に終わった。また、クノールブレムゼも独禁当局の懸念などを受けてハルデックス買収の断念に追い込まれた。

ZFはハルデックス買収の失敗を受けて新たな買収先を模索。3月にWABCOを買収することで合意が成立した。TOBを通した株式50%超の確保と認可当局の承認を経て買収手続きが来年初頭に完了すると見込んでいる。

これを踏まえてZFは保有するハルデックス株およそ20%の放出を決めた。ハルデックスにはクノールブレムゼも10%出資している。