ドイツ連邦カルテル庁は21日、同国の自動車大手BMW、ダイムラー、フォルクスワーゲン(VW)の3社が条鋼の調達で違法なカルテルを結んでいたとして、合わせて約1億ユーロの制裁金支払いを命じたと発表した。
3社は2004年から13年末にかけて、鉄鋼・鋳造メーカーおよびシステムサプライヤーと年に2回の定期会合を持ち、条鋼調達価格の上乗せ価格部分を同一額にすることを取り決めていた。これにより自動車メーカー間の競争をなくしたことをカルテル庁は問題視。制裁に踏み切った。
条鋼の価格は基礎価格と上乗せ価格で構成されている。このうち上乗せ価格は長年、特定の計算方式で算定することが慣例となっていたが、鉄鋼メーカーは03年から04年にかけて算定方式の変更を要求。自動車メーカーはこれを受け入れたものの、上乗せ額を3社とも同一にすることを取り決めたことから独禁規制に抵触した。
3社は事実関係を認め、調査にも協力したことから、制裁額を軽減された。
BMWとダイムラーはそれぞれ制裁受け入れを表明した。制裁額はBMWが2,800万ユーロ、ダイムラーが2,350万ユーロ。VWは合意に基づいて調査が終了したことで法的安全性が確保されたとして、歓迎の意を示した。