ドイツ連邦統計局が27日発表した10月の輸入物価指数は前年同月比3.5%減となり、2016年7月以来3年3カ月ぶりの下落幅を記録した。エネルギーの下げ幅が前月の19.1%から23.4%に膨らんだことが響いた。エネルギーを除いた輸入物価はマイナス0.4%だった。
エネルギー価格を最も強く押し下げたのは天然ガスで、前年同月を37.5%割り込んだ。電力(−29.8%)、石炭(−20.8%)、原油(−17.6%)、石油製品(−16.0%)も軒並み2ケタ減となった。
中間材は1.9%減となり、下げ幅は前月の1.1%から拡大した。これまでに引き続きリグニン・セルロース(−21.3%)、電子部品(−10.6%)、銑鉄・鉄鋼・鉄合金(−7.1%)が大きく下落。貴金属は35.1%増、鉄鉱石は24.3%増と大きく拡大した。
投資財は0.3%減となり、前月の0.1%増からマイナスへと転じた。スマートフォンとタブレットPCがそれぞれ10.0%、7.4%下落。機械は1.4%上昇した。
耐久消費財は前年同月比0.8%増となり、上げ幅は前月の1.3%から縮小した。
非耐久消費財はプラス1.4%で、上げ幅は前月と同じだった。豚肉は上昇率が前月の24.8%から33.1%へと拡大。衣料品と医薬品もそれぞれ2.2%、1.9%高くなった。
農産物は2.5%増となり、上げ幅は前月の2.3%をやや上回った。豚の上昇率が42.0%から52.7%へと拡大。トマトは17.4%、穀物は8.7%落ち込んだ。
10月の輸入物価指数は前月比では0.1%低下し、2カ月ぶりに下落した。エネルギーは0.5%増で、輸入物価はエネルギーを除いたベースでは0.2%落ち込んだ。エネルギーは電力が4.3%、天然ガスが3.5%上昇。原油は横ばいで、石油製品は0.9%、石炭は1.2%低下した。
10月の輸出物価指数は前年同月比が0.2%減、前月比が横ばいだった。