ドイツ機械工業連盟(VDMA)が10日発表した独業界の1〜10月の生産高は前年同期比で実質1.8%減少した。世界経済の低迷と米中の通商摩擦、自動車業界の構造転換が響いた格好で、新規受注高は9%縮小。工場稼働率は83.9%となり、長年の平均である86.2%を大幅に下回った。
2019年全体では生産高が前年比2%減の約2,180ユーロに後退するとみている。状況改善の兆しはなく、来年も2%落ち込む見通しだ。米中の通商摩擦が現状以上に悪化しなければ、新規受注は同年内に改善へと転じ、下半期以降には生産高も上向くと予想している。
1〜9月の業界輸出高は名目1,346億ユーロとなり、前年同期を0.6%上回った。最大の仕向け先である米国が6.2%増の150億ユーロと好調だった。トランプ政権の企業税制改革が追い風となった。仕向け先2位の中国は内需の低迷と通商摩擦が響いて0.7%減の141億ユーロへと後退した。欧州連合(EU)加盟国向けの輸出は1.1%増の646億ユーロ。EUを離脱予定の英国向けは4.8%減の57億ユーロに落ち込んだ。