自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)とスウェーデンの電池スタートアップ企業ノースボルトは独北部のザルツギターに建設予定の車載電池セル工場を助成金なしで建設する。VWのシュテファン・ゾンマー取締役(部品・調達担当)が独経済誌『キャピタル』に明らかにした。
欧州連合(EU)の欧州委員会はこのほど、電池の研究・開発、技術革新に向けた欧州企業のプロジェクトに加盟7カ国が最大で総額32億ユーロを助成する計画を承認した。自動車メーカーでは仏PSAと独子会社オペルなどの企業連合が独仏政府から総額12億ユーロの助成を受け両国にリチウムイオン電池セル工場を設置する。独BMWも助成金を受ける。
VWとノースボルトは年産能力16ギガワット時の合弁工場を建設する計画。来年に着工し2023年末〜24年初頭に操業を開始する予定だ。
欧州委が今回、公表した助成対象企業のリストにVWの社名は入っていなかった。ゾンマー取締役はこれについて、助成金を受給すると速やかにセルの量産を開始できないため、申請を見送ったと説明。コスト負担の軽減よりもスピードを重視したことを明らかにした。