三菱自動車のディーゼル車に排ガスを違法に操作する機能が搭載されている疑いがあるとして独フランクフルト検察当局が事業拠点を立ち入り捜査したことに関し同社は30日に声明を発表し、容疑を否定した。これまでの社内調査に基づくもので、現時点で「検察が指摘するような不正があったと考えるべき理由はありません」としている。
同検察は21日、三菱自動車などを対象に立ち入り捜査を実施した。台上試験と路上走行の違いを認識して窒素酸化物(NOx)の処理システムが台上試験でのみ適正に作動する機能(デフィートデバイス)が同社製ディーゼル車に搭載されていると疑っているためだ。
三菱自は今回、立入捜査が欧州排ガス規制「ユーロ5b」の2.2リットルディーゼルエンジン、および「ユーロ6b」の1.6リットルディーゼルエンジン、同2.2リットルディーゼルエンジンの搭載車を対象としたものだったことを明らかにした。いずれも生産は終了している。1.6リットルエンジンについては制御も含めてプジョーシトロエン(PSA)製であることを公表した。
三菱自はこれまでの社内調査を踏まえ◇デフィートデバイスの装備は行っていない◇自社製エンジン制御は独連邦運輸局(KBA)にすべて開示し、指摘事項があればそれに応じた改善を行ってきた◇検察から疑いをかけられている車種は排ガス規制を含めてすべて、法規に則り認証を取得して販売しており、全販売車両はKBAの認可を得ている——との見解を表明した。社内調査を引き続き行うとともに、検察の調査に全面協力していくとしている。