新型コロナウイルスの流行で半ば麻痺していた中国経済が再び動き出したもようだ。ロイター通信が10日報じたところによると、ドイツポストでは今月初旬以降、現地の急送便事業が拡大。軸受け大手シェフラーの現地工場は春節休暇延長の影響を受けたものの、休暇が明けてからは稼働率が80%へと上昇している。自動車大手ダイムラーのオラ・ケレニウス社長は『シュピーゲル』誌に、休暇後の中国生産が徐々に増えていることを明らかにした。
シェフラーのクラウス・ローゼンフェルト社長はサプライチェーンが問題なく機能していることを指摘し、「中国の状況は改善しているようだ」との見方を示した。2月に80%縮小した同国自動車市場は急速に回復すると予想している。
ドイツポストは2月末の決算発表で、新型コロナの流行を受けて中国を中心にアジア諸国の物流需要が減少している影響で、同社の2月の利益は計画を6,000万〜7,000万ユーロ下回る見通しを明らかにしていた。
中国では新型コロナの流行がピークを過ぎたもようで、9日の新規感染者数は前日の半分の19人にとどまった。同国の習近平国家主席は10日、感染の震源地となった武漢を訪問。事態の収束をアピールした。