スポーツ用品大手の独アディダスは11日の決算発表で、今年第1四半期(1〜3月)の中国売上高が前年を8億〜10億ユーロ下回る見通しを明らかにした。新型コロナウイルスの流行で現地販売が大幅に落ち込んでいることが直撃。営業利益は4億〜5億ユーロ押し下げられると見込んでいる。外出を控える消費者が多い日本と韓国でも販売は振るわない。
中国販売は3月に入って回復が始まった。現地生産も大部分が正常化しているという。
2019年12月期決算の売上高は236億4,000万ユーロとなり、前期を7.9%上回った。すべての地域で増収を確保。中国は為替変動を除いたベースで15%の伸びを記録した。営業利益は12.4%増の26億6,000万ユーロで、売上高営業利益率は前期の10.8%から11.3%へと上昇した。継続事業ベースの税引き後利益は12.2%増の19億1,800万ユーロ、株主帰属の純利益は16.1%増の19億7,600万ユーロだった。
20年12月期は為替変動を除いたベースの売上高で6〜8%増、売上高営業利益率で11.5〜11.8%、継続事業ベースの税引き後利益で10〜13%増を見込む。これらの数値には新型コロナ流行の影響が加味されていないことから、今後の状況次第では下振れする可能性もある。