工場の操業を一時的に停止する自動車メーカーが一段と増えてきた。サプライチェーンの寸断や需要の減少を受けた措置で、独ダイムラーは17日、今週から差し当たり2週間、欧州の工場の多くを停止すると発表。BMWとトヨタ自動車も18日、同様の措置を取ることを明らかにした。車メーカーが生産を大幅に減らすことから、生産調整の動きはサプライヤーにも波及している。
ダイムラーは乗用車、トランスポーター、商用車工場の稼働を停止する。この措置を延長するかどうかは今後の状況をみて判断する。
BMWは欧州と南アフリカの工場を差し当たり4月19日まで閉鎖する。ドイツを中心に約3万人の従業員が影響を受ける。米スパータンバーグ工場については、今後数日間は操業を続けることができるとしている。
同社は主要市場で需要が急減していることを受けて、今年の販売台数が前年を大きく割り込む見通しも明らかにした。自動車部門の売上高営業利益率については前年の4.9%から「2〜4%」へと落ち込むと予想している。
トヨタは欧州工場の大半で18日から操業を段階的に停止する。対象となるのは仏オナン、英バーナストン、ディーサイド、独ケルン、ポーランドのヴァウブジフ、イェルツ・ラスコビツェ、トルコのサカリヤ、およびチェコの工場。当局の新型コロナ対策を受けて物流とサプライチェーンに一時的に支障が生じる可能性があるためと説明している。
こうした状況を受けてサプライヤー大手の独ボッシュとZFフリードリヒスハーフェンは18日、一部工場で生産を一時停止することをそれぞれ明らかにした。ボッシュではフランスとイタリア、スペインの工場が対象となる。両社とも現時点でサプライチェーンに大きな支障は出ていない。