「今後2週間でイタリアの状況に」、RKIはテレコムの顧客移動データを活用

独ロベルト・コッホ研究所(RKI)のロタール・ヴィーラー所長は18日、新型コロナウイルスの感染者数が国内で累乗的に拡大していると指摘し、流行は今後、何週間も何カ月も続くとの見方を示した。ドイツは感染者数が欧州でダントツに多いイタリアの「1〜2週間前の状況にある」と強調。市民間の接触を今の時点で減らすことができなければ、2〜3カ月後には感染者数が現在の8,198人(18日0時)から1,000万人に拡大すると危機感を表明した。

感染者数の増加のスピードを鈍化させて医療機能を維持できるかどうかは、市民が社会的な接触をどれだけ回避するかにかかっている。国(連邦)と州はこれを踏まえ、学校・保育施設の閉鎖、国境での出入国管理の導入、基本的な生活の維持に必要のない商品・サービスを提供する事業者への営業停止命令を相次いで打ち出した。

これらの政策がどの程度の効果を示すかは2週間が経過しないと評価できない。その評価を適切に下す際には、市民がどの程度、外出を控えたかを把握しておく必要がある。このためRKIはドイツテレコムの協力を受けることにした。ドイツテレコムは移動通信サービス顧客の移動データを匿名化したうえで提供。RKIはこれを分析する。ドイツテレコムはすでに17日の時点で5ギガバイトのデータをRKIに提供した。

感染者数の増加が鈍らなかったり、市民の外出自粛が不十分と判断された場合はドイツでもイタリアなどのように外出制限命令が出される可能性がある。