ドイツ政府のヘルガ・ブラウン官房長官は日刊紙『ターゲスシュピーゲル』に、新型コロナウイルスの感染拡大を鈍化させるために導入した措置を4月20日(月)まではすべて継続することを明らかにした。それらの措置がどの程度、効果を発揮したかを判断するためには時間が必要なためで、「4月20日以降が全般的にどうなるかはイースター休暇(4月10~13日)の直後に言えるかもしれない」と述べた。
ドイツでは現在、感染者数が約3日で倍増している。同長官は「感染拡大のスピードを10日ないし12日、あるいはより長い日数で倍増する程度へと鈍化させることができれば、良い方向に向かっていると言える」と述べた。
また、ワクチンが開発されるまでは高齢者と基礎疾患を持つ人々を感染から守らなければならないということで、今後の措置に関するシナリオはすべて一致しているとして、感染した際に重症・重篤化して死亡するリスクの高い高齢者などに対しては、他人との接触制限措置を長期間、適用しなければならないとの見方を示した。
一方、ロベルト・コッホ研究所(RKI)のロタール・ヴィーラー所長は『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に、接触制限措置が奏功するかどうかは人々がどの程度、順守するかにかかっていると述べ、患者数が医療システムのキャパシティを超える結果、どの患者に治療を施すかを医師が選択しなければならないイタリア、スペイン、仏アルザス地方などの状況はドイツでも起こり得ると明言した。
感染拡大の鈍化に向けて導入された各種の制限措置については、一気に解除されることはないと指摘。医学、疫学、経済、文化的な観点から政府が判断を下すことになるとの見方を示した。
ドイツの感染死者数がイタリアなどに比べて大幅に少ないことに関しては、◇検査を受けた人が多いことから、感染者全体に占める軽症者と無症状の人の割合が高い◇感染者の多くが南チロルなどのスキー場で感染したことから、死亡リスクの低い若年層が感染者全体に占める割合が高い――と説明している。