デパート大手の独ギャラリア・カールシュタット・カウフホーフは1日、エッセン区裁判所に民事再生手続きの適用を申請したと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために政府が食料品店やドラッグストアを除く小売店の営業を禁止したことで、資金繰りが悪化したためだ。政府の低利融資支援を受けるために進めている取引先銀行との交渉が遅々として進展しないことから、民事再生が避けられなくなったとしている。
同社は3月中旬、政策金融機関KfWに緊急融資を申請した。最大7億ユーロの資金を要請しているもようだ。同融資では貸し倒れリスクの一部を、窓口となる一般の銀行が負担することから、取引先銀行はカールシュタット・カウフホーフと慎重に交渉。これが同社の資金繰り悪化につながっている。
テナント料の支払いはすでに停止した。新型コロナ危機で資金不足に陥った企業に対し同支払いの先送りを認める時限法が施行されたためだ。民事再生手続きの適用を受けることで、債権者に対する支払いも当面、免除される。
社内文書によると、同社は営業禁止命令を受けて現在、売上高が1日当たり8,000万ユーロ目減りしている。親会社のシグナ・ホールディングは1億ユーロのケタ台の事業資金を供給する考えという。