2月の機械業界受注4%減少、「嵐の前の静けさ」

ドイツ機械工業連盟(VDMA)が3日発表した独業界の2月の新規受注高は前年同月比で実質4%減少した。2月は新型コロナウイルスが欧州で流行しておらず、新規受注への影響は比較的小さかったことから、同連盟のエコノミストは「嵐の前の静けさだ」と指摘。新型コロナの本格的な影響は3月以降の数値に現れてくるとの見方示した。

2月の新規受注を地域別でみると、国内は6%、国外は3%減少した。国外はユーロ圏が5%増加したのに対し、ユーロ圏外は新型コロナの渦中にあった中国の不振が響いて7%落ち込んだ。

新規受注を特殊要因によるブレが小さい3カ月単位の比較でみると、昨年12月~今年2月は前年同期を実質1%下回った。内訳は国内が横ばい、ユーロ圏が3%減、ユーロ圏外が2%減だった。

一方、VDMAのティロ・ブロートマン専務理事は、新型コロナ危機で資金繰りが悪化した企業に対し政策金融機関のKfWと共同で低利融資を行う銀行に対し、同融資を迅速に行うよう要請した。パンデミック(感染症の世界的な流行)の終息後に経済を速やかに回復させられるかどうかは迅速な融資にかかっているとしている。